IMAI HIROYASU

明治から昭和初期にかけて活躍した選鉱場の跡地に建つ倉庫を、史跡を望むカフェに改修する計画。

選鉱所跡地のエリアは明治から昭和にかけて開発され、相川のほかのエリアと違い日本建築ではなく西洋文化の影響を受けた建物しか建たない特殊なエリアとなっている。計画対象の建物は平成になってから建てられたモノで、真壁の日本建築となっていたがこの場所にそぐわないと考えていた。
かといって特殊で個性的なこの場所に新たな言語(デザイン)を加えるのにも違和感を感じていた。

そこで場が持つ独特の粗い空気に馴染むよう、内部まで粗さを延長させようと考え、現場に放置されていた木製の棚の解体ででた傷や釘の跡が残る木板をリユースすることにした。木板を史跡に向けて壁面に鱗上に重ね張りをすることで、リユース材が持つ粗い質感にプラスして、材の厚み分引掛りが生まれる。

選鉱場の風景を引き立てる、この場にふさわしい粗さを纏った内装に設えることが出来た。